フコイダンのアポトーシス誘導効果
生物の細胞には異常環境で老化したときに「自滅するように、指令する遺伝子」が組み込まれており、この働きで細胞が自然死することを「アポトーシス」と言います。
簡単に言えば「正常細胞にあらかじめプログラムされていた死」ということです。
このアポトーシスによって、体内で古い細胞が死に新しい細胞が生まれてくるという代謝が繰り返され身体の健康を保っています。
がん細胞は、アポトーシスがまったく効かなくなってしまった異常細胞なので、放って置くと分裂、増殖を繰り返します。
フコイダンにはこのアポトーシスを忘れた異常細胞に対し自滅を誘導する役割があるのです。
抗がん剤と超低分子フコイダンの併用について
フコイダンと抗がん剤の併用をすすめる理由に、がん細胞の抗がん剤への耐性を抑制するというものがあります。
耐性とは、簡単に説明すると「同じ薬を長く使用しているとだんだん聞かなくなってくる」というものです。
がん細胞にも同じ働きがあり、同じ抗がん剤を使用し続けるとがん細胞は耐性を作り抗がん剤に抵抗しようとします。
これを抑えると言われているのが超低分子フコイダンの働きのひとつです。
抗がん剤の種類
分子標的薬
乳がんとは
乳房の皮膚の下には、母乳を作る乳腺の組織があり、これが乳房を形づくっています。この乳腺にできる悪性腫瘍が乳がんです。
乳がんは5mmぐらいから1cmぐらいの大きさになると、自分で注意深く触るとわかるしこりになります。しかし、しこりがあるからといってすべてが乳がんであるというわけではありません。
乳がんのマンモグラフィー像
矢印で囲んだ白い部分が乳がん |
乳がんの超音波像
矢印で囲んだ白い部分が乳がん |
症状
乳がんで最も多い症状は、乳房の硬いしこりです。乳腺はぶどうの房がたくさん集まった形をしていてそれらの小さな出口が乳首にはいくつも集まります。乳がんは、母乳を作る羨望の集まっている小葉と呼ばれるところや、母乳を乳首に送る乳管と呼ばれる細い管から発生しますが、頻度としては、乳管から発生するものの方が多く、過半数以上を占めています。
また、乳がんは右側よりも左側の乳房にやや多く、部位としては、もっとも多いのは左右の外側上方で、ここには乳がんの約半数が発生します。
また、乳頭を境にして上と下とに分けると、上半分のほうに多く発生します。
治療
乳がんの治療には、外科療法、放射線療法、薬物療法があります。外科療法と放射線療法は治療を行った部分にだけ効果が期待できる局所療法であり、薬物療法は全身療法として位置づけられています。
▼外科療法
乳がんの治療法の中心は手術です。自分が受ける手術がどのタイプになっているのか、どの手術が一番あっているのか、前もって主治医から説明を受けます。がんの性質や進行程度によって術式が選択されますが、個々の患者さんに合った手術を選ぶとなると、選択の幅はそれほど多くありません。乳房の切除をどの範囲にするのか、前胸部の筋肉(大胸筋と小胸筋)をとるのか、リンパ節はどこまで広く取るか、ということの組み合わせの違いが術式の違いです。
▼乳房部分切除術
しこりを含めた乳房の一部分を切除する方法で、乳房温存手術と呼ばれます。病変の部位や広がりによって、乳頭を中心にした扇形に切除、あるいはがんの周囲に2cm程度の安全域をとって円形に切除します。しこりが大きい場合、乳がんが乳腺内で広がっているとき、乳腺内にしこりが複数ある場合には、原則として温存手術の適応にはなりません。通常手術後に放射線照射を行い、残された乳房の中での再発を防ぎます。
▼単純乳房切除術
がんのできた側の乳房を全部切除し、わきの下のリンパ節の切除は行わない場合をいいます。
▼筋温存乳房切除術
乳房とわきの下のリンパ節を切除します。場合によっては、胸の筋肉の一部分を切り離すこともあります。この術式が最も一般的な乳がんの手術方法です。
▼センチネルリンパ節生検
センチネルリンパ節とは日本語で見張り番リンパ節という意味で、乳がんからこぼれ落ちたがん細胞が最初に到達する乳腺の領域リンパ節のことを指します。がんの近傍に放射線同位元素や色素を注射することにより見つけます。多くの場合は、わきの下のリンパ節がセンチネルリンパ節になりますが、センチネルリンパ節に転移がないとき、多くの場合、わきの下のリンパ節に転移がないということがわかっています。センチネルリンパ節生検は腋窩リンパ節郭清を行わなくてもよい可能性がある患者さんを選ぶ手段として期待されています。
▼乳房再建術
乳がんを切除する手術で失われた乳房を自分の筋肉、または人工物を使用して形成する手術です。乳頭を形成することもできます。再建術を希望する方は担当医とよく相談してください。乳房再建は初回の手術の時から始まります。
▼放射線療法
乳がんでは外科手術でがんを切除した後に乳房やその領域の再発を予防する目的で行う場合と、骨の痛みなど転移した病巣による症状を緩和するために行う場合があります。
▼ホルモン療法
約7割の乳がんはホルモン受容体を持っており、ホルモン受容体を有する乳がんはエストロゲンががんの増殖に影響しているとされます。手術でとった乳がん組織中のエストロゲン受容体とプロゲステロン受容体を検査することにより、女性ホルモンに影響されやすい乳がんか、そうでない乳がんかがある程度わかります。女性ホルモンに影響されやすい乳がんをホルモン感受性乳がんと呼び、ホルモン療法による治療効果が期待されます。
ホルモン療法には、LH-RHアゴニスト、アロマターゼ阻害薬、抗エストロゲン剤、黄体ホルモンなどがあります。閉経前と閉経後の方では、使用される薬が少し変わります。
▼化学療法(抗がん剤)
抗がん剤治療は細胞分裂のいろいろな段階に働きかけてがん細胞を死滅させる効果があり、乳がんは比較的抗がん剤治療に反応しやすいがんとされています。
2種類〜3種類の抗がん剤を組み合わせて使用されます。
また、乳がんのうち20%〜30%は、乳がん細胞の表面にHER2タンパクと呼ばれるタンパク質をたくさん持っており、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与していると考えられています。最近このHER2をねらい撃ちした分子標的薬が開発され、乳がん治療を大きく変えました。ハーセプチンはHER2タンパク、あるいはHER2遺伝子を過剰に持っている乳がんにのみ効果が期待されます。
再発と予後
乳がんのしこりが小さく、わきの下のリンパ節に転移がなければ、ほとんどの場合は治ると考えてよいのですが、それでも例外的に再発すことがあります。再発転移は、一概には言えませんが、傷の近くのしこりや鎖骨の上のリンパ節、肺などの転移が多く見られます。しかし、乳がんは他のがんよりも抗がん剤の効き方がよいのが特徴です。また、ホルモン療法という治療法にもよく反応することが多く、再発しても治療の手だてがいろいろあり、しかも治療効果が高いのが乳がんです。再発後の症状がうまくコントロールされて、何年間も乳がんと共存している人も少なくありません。
▼フコイダン療法関係リンク
- 吉田医院 フコイダン療法を推進する大阪市淀川区の医院
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